初恋リスタート
彼はキッチンに行き、冷蔵庫にビールを入れつつガサゴソと中を漁っている。


「たまごとウインナーがある。晶(あきら)のかな。ま、補充しとけばいいか」


晶って?
また新しい名前が出てきたので首を傾げた。


「私、調理しようか?」


私のせいでお弁当がだめになったんだしと思い声をかけると、振り返った彼の目が心なしか輝いている。


「助かる。俺、油跳ねが苦手で」


なんでもそつなくこなす印象の彼が、子供のようなことを言いだすので笑ってしまう。


「水が入らなきゃ跳ねないでしょ?」


そんなことを言いながらキッチンに行く。

家は古いけれどリフォームされているようで、水回りは新しかった。


「頼む。冷蔵庫のもの使っていいからさ」
「晶さんって?」
「お、来た」


私が尋ねると、テインさんがキッチンに顔を出した。

もうひとりジーンズをはいたショートカットの小柄な男の子がいる。

高校生くらいに見える彼が晶さんだろうか。


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