君が気色悪い 恋愛短編小説
「翔様に歯向かうなんて、あり得ない!!!」と周りの反感を勝ってしまって、4日目の登校日。
険悪ムードをかまされて、睨まれるという悲劇を横目にーー音楽を聞いていた。
音楽と言っても英単語を繰り返す、簡素なものなのだが、私にとってはこれが心地よい。
「おいおい、聞いてんのか?美音?」
と、隣りにいる目障りな奴コイツを差し置いて。
「イッテ!??何すんだ!!!」
脇腹に肘パンチを食らわせたら、よろけてみせたがニヤニヤと楽しそうな顔を見せてきた。
ムカつく……その化けの皮をひっぱたいてやりたい。
「もうかかわらないでって、なんか言えば分かるわけ!!」
「お前が可愛いからいけないんだ!!」
「ふざけたこと言わないで、あっちいって!!」
股間を蹴り上げようとしたら、すぐさま交わされる。
「残念、ハズレ」
「アンタには、姫がいるじゃん!!そっちに行きなさいよ!!」
眼光鋭く睨む、ブラックローズの姫「春奈」がいた。
金髪で膝丈ミニスカートの女の子であり、美少女格の一軍であるにも関わらずだ。
「あんな女………」
翔は指を指して、「アバズレだから、遊び相手にしかなんねーよ!!」と。
目を見開いた春奈。
その目は相当なお怒りのようで。
私にその怒りは向けられていて、思わず目を背ける。