私が好きになったのはどっちなの?
「先生……!?」
 空気の中にかき消える彼女の声。
 理性を総動員して彼女の唇を俺の親指で塞いだ。
 でないと、本当にキスしてしまいそうだったから。
 これはレッスン。
 俺が本当にキスをしてはいけない。
「本当に好きならキスをする。それが男と女ってものだよ」
 そんなレクチャーをしてフッと微笑し、彼女から離れる。
「蓮先生……?」
 花梨ちゃんが名前を呼んだけど、彼女の顔を見られなかった。
 再び見たら、また押し倒してしまいそうだ。
「レッスンは終わり。悪いけど、俺が先にシャワー浴びてくる」
 できるだけ平静を装うと、ベッドを出てバスルームに向かった。

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