私が好きになったのはどっちなの?
 あれだけ樹先生好きだって蓮先生に言ってたのに。彼に嫌われたくない。
 私が好きになったのはどっちなの?
 樹先生? それとも蓮先生?
 でも、今は目を瞑っていても蓮先生と樹先生の見分けがつくような気がする。
 だって、蓮先生に抱きしめられて寝ていて、彼の肌の温もりを私の身体が記憶している。
 優しく、守るように……。
 彼の感触を思い出すように、思わず自分の身体をギュッと抱く。
 蓮先生は私にとっての陽だまり。
「花梨ちゃん、シャワー浴びておいで」
 ドア越しに蓮先生の声がしてハッとする。
 ベッドを出て寝室を出ると、先生の姿はなかった。
 キッチンにでも行ったのかな?
 正直、顔を合わせなくてホッとした。どんな顔をしていいかわからなかったから。
 シャワーを浴びてキッチンへ行くと、前回泊まった時と同じように先生が私の分も朝食を用意してくれていた。
「蓮先生、一度ならず二度までもご迷惑をおかけしてしまってすみませんでした。
 頭が足につきそうなくらい頭を下げて謝ると、蓮先生に肩を軽く叩かれた。

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