私が好きになったのはどっちなの?
 蓮先生にもう会えないと、樹先生に言われてわかった。
 私……蓮先生の存在が心の支えだったんだって。
 いつだって、春の日差しのような優しい目で先生は私を見ていてくれた。
 ドイツへ行くのだって、一週間ほどでまた戻ってくると思ってて、完全に私の前からいなくなるなんて実感がなかった。
 でも、今はただただ怖い。
 蓮先生がいなくなったら……私はどうすればいいの?
 ドイツへ行っても大丈夫だと思ってた。
 それはきっと自分に嘘をついていたからだ。
 私が蓮先生の足枷になりたくなかった。
 ああ~、先生がいなくなるなんて嫌。
「先生……お願い。生きてて……」
 食い入るように飛行機を見ながら先生の無事を祈るけど、機体が焼き尽くされるのを見て絶望的になり、床にへなへなと崩折れた。
「先生……。いなくならないで」
 ただの悪夢だったらいいのに……。
 どれくらい床に座り込んでいたのだろう。
「……花梨ちゃん」
 
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