負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

01月17日、土曜日

 部活の後、須藤と並んで駅に向かっていた。


「ねえねえ、昼はメックでいい?」

「いつもメックじゃねえか。39日目だし、たまには違うのがいい」

「ソイゼは?」

「んー……」


 行きたいとこあるのかなって、須藤を見上げたら、後ろから来た車が近くで止まった。


「藤也くん、こんにちは」

「……澪さん。こんにちは」


 お父さんかと思ったら違った。

 すっごいきれいなお姉さん。

 黒い髪がさらさらしてて、笑顔もかわいくて、優しそう。

 ちょっと、柊ちゃんに似てるかも。


「学校帰り? 須藤さんや瑞希さんと同じ高校なんだよね」

「はい。澪さんはお仕事中ですか?」

「うん。税理士さんのところに行ってたの。そちらは、彼女さん?」

「……ううん。彼女では、ないかな」

「あ、は、はじめまして、三枝メイサです。えっと、藤也くんにはお世話になってます」

「はじめまして、由紀澪です。藤也くんの伯母です」

「伯母さん!? すみません、お姉さんかと思いました」

「ふふ、ありがとう。じゃあね藤也くん。また遊びにおいで。瑞希さんも待ってるから」

「……はい」


 なんか、しおらしいな。

 須藤は去って行く車に、手を振って見送った。


「伯母さん、若いんだね」

「んー、親父より年上だよ。俺の母親の兄さんの奥さんでさ」

「……五十近くってこと?」

「たぶん」


 ……マジで。

 でも、今はそれより須藤の方が気になる。

 車が走って行った方を、ずっと無表情で見つめている。


「須藤?」

「ん、行こうか」


 須藤は私の顔を見ないで歩き出した。
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