ロマンスに、キス
奥の窓際の席に案内されて、光が差し込む。
写真映え、最高。
ここなら、どんな角度でもかわいく写る。
「わぁ、やった~!」
声を弾ませて、嬉しそうに笑ってみせる。
手を叩くタイミングも、表情も、全部計算通り。
優くんも、そんなあたしを見て微笑む。
「喜んでくれてよかった」
――ね、理想的でしょ?
「一千華ちゃん、甘いもの好きなの?」
メニューを覗き込みながら、優くんが聞いてくる。
その視線を感じて、あたしは即座に答える。
「うん、すき~」
なんて言って、苺とたっぷりのクリームが山みたいに乗ったパンケーキと、カフェラテを頼んだ。
普段のあたしなら、絶対に選ばない組み合わせ。
メニュー写真を見た瞬間、胸の奥が、きゅっと縮む。
……重そう。甘すぎそう。
食べきれない未来が、簡単に想像できてしまう。
大丈夫。
もし食べきれなかったら、「おなかいっぱいになっちゃった」って言えばいい。そうしたら、優くんはきっと、自然に残りを食べてくれる。「無理しなくていいよ」なんて言いながら。