『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―
エルヴィンは震える唇をかみしめ、
深く頭を垂れる。

 ――女性が、もっと自由に。
 ――楽に呼吸して、好きに生きられる服をつくりたい。

夢中でシルヴィアのドレスを作っていた時に
胸の奥で芽生えていた想いが、
はっきりと形になった。

「……はい。ウィステリアで、挑戦させていただきます」

その瞬間、
エルヴィンの新しい人生が静かに、
そして確かに動き出した。
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