『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―
ある日、
主任講師が言い渡した。
「次の課題はペア制作だ。テーマは“自由と解放”。
組み合わせはこちらで決める。」
講師から読み上げられる名前……
そして——
「エルヴィン・ラノイ、エラ・ラングレー。」
エルヴィン(え……エラと?)
エラ(……ふーん、あの寡黙な男の人ね)
二人はそれぞれ、静かに頷くだけ。
最初の打ち合わせ。
エルヴィンが遠慮がちに声をかける。
「よろしくお願いします、エラさん。その……あなたの作品、前からすごいと思っていて」
エラはぴたりと手を止め、
驚いたようにエルヴィンを見た。
「……本気で言ってるの?」
「もちろん。
ご存知の通り、俺はユーフォルビアからの亡命貴族で、妻は元貴婦人だ。彼女が毎日きつくコルセットを締め上げ、動きにくそうなドレスを着ているのをみてずっと思っていた。俺は、女性がもっと自由に動ける服を作りたい。
縛るドレスじゃなくて、解き放つ服。あなたの作品からは……解放感を感じる。」
主任講師が言い渡した。
「次の課題はペア制作だ。テーマは“自由と解放”。
組み合わせはこちらで決める。」
講師から読み上げられる名前……
そして——
「エルヴィン・ラノイ、エラ・ラングレー。」
エルヴィン(え……エラと?)
エラ(……ふーん、あの寡黙な男の人ね)
二人はそれぞれ、静かに頷くだけ。
最初の打ち合わせ。
エルヴィンが遠慮がちに声をかける。
「よろしくお願いします、エラさん。その……あなたの作品、前からすごいと思っていて」
エラはぴたりと手を止め、
驚いたようにエルヴィンを見た。
「……本気で言ってるの?」
「もちろん。
ご存知の通り、俺はユーフォルビアからの亡命貴族で、妻は元貴婦人だ。彼女が毎日きつくコルセットを締め上げ、動きにくそうなドレスを着ているのをみてずっと思っていた。俺は、女性がもっと自由に動ける服を作りたい。
縛るドレスじゃなくて、解き放つ服。あなたの作品からは……解放感を感じる。」