『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―
その瞬間、
エラの表情が初めて柔らかくなった。

「……あなたも、“女性を翼で包む”ような服を作りたいと思ってるのね。
私もよ。だから私は、世の中の『こうでなくてはならない』っていう型が嫌いなの。」

エルヴィンの胸が熱くなる。
「俺も……同じだ。」

服作りへの情熱を共有できる仲間。
そこから二人の会話は止まらなくなった。

糸の選び方。
動きを妨げない構造。
女性の身体の強さと美しさをどう表現するか。
ドレスに求められる本当の自由とは。

気づけば日が暮れるまで語り合っていた。

エラは静かに笑う。
「あなたとなら……良い服が作れそう。」

「俺もそう思うよ、エラ。」

この瞬間、
後にファッション界に革命を起こす
二人の伝説の原点が生まれた。
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