元プロバンドマンの部下は、私に気づかない~まさかの再会オフィスラブ~
「ずるい。」


「えっ?」


「前から思ってたけど、あんた、天性のたらしだよね。」


そう言って、睨みつける様に彼を見る和那。


「たらし?俺が?」


思わぬ言葉を投げつけられて、ますます困惑の色を深める湊に


「でもね・・・私はそんな言葉じゃ誤魔化されない。絶対に誤魔化されないんだから!」


更に鋭い視線を送る和那。


「ごめん・・・でも、別にそんなつもりはねぇし、本当に綺麗になったって思ってるんだから・・・。」


「それ、誉め言葉のつもりらしいけど、つまり7年前は大したことなかったって言ってるのと同じだからね。」


「いや、ちょっとそれはさ・・・ホント、昔から綺麗でした。だから・・・。」


しどろもどろになった湊を、潤んだ目で見た和那は


「バカ。」


泣き笑いの顔でそう言う。


ふたりの視線が重なり、少し見つめ合った次の瞬間・・・和那が一歩、湊に近づいたかと思うと、そのままゆっくりと身体を寄せて行く。突然のことに、少し慌ててその華奢な身体を受け止める湊に


「絶対に許さないんだから。」


その腕の中で、和那が呟く。


「じゃ、どうしたら許してくれる?」


「・・・もっと、ちゃんとギュッとしてくれたら、考えてもいい。」


「わ、わかったよ・・・。こう、か?」


そう言って、不器用に自分の身体を抱き寄せる湊に


「バカ・・・。」


和那はもう1度呟くように言ったが、その表情は、この上なく幸せそうだった・・・。
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