婿入りの顛末

エピローグ -執事長視点-

お嬢様が次期女侯爵になられることが決まって以来、執事長として最後のご奉公と思い、後を任せる執事たちや使用人たちを育てるべくこの老体に鞭打って誠心誠意お仕えして参りました。

5年前、婿に決まった王子殿下が、我らがお嬢様の麗しいお姿がお気に召さないなどと宣いやがった日、家中一同が氷点下の態度に徹したのは今では懐かしい思い出でございます。

その翌年に婿入りされたセドリック様と夫人となられたソフィアお嬢様の仲は大変睦まじく、
2回目の結婚記念日にお嬢様のエレノア様が、そしてつい先日お世継ぎのルパート様がご誕生になりました。
セドリック様の側近として移籍してきたルーカス様とカーター様は有能でありながら朗らかで明るく、使用人たちともすぐに打ち解けて和気藹々と侯爵家の執務と護衛に当たっています。

そして一緒に引っ越してきたお犬様たちの愛らしい事と言ったら。
旦那様をはじめ家中皆魅了されてしまい、今ではお世話を奪い合う有様です。
侯爵家は幸せに満ちた明るく穏やかな雰囲気に包まれています。

先頃、若奥様の妊娠中に若旦那様が新しいお犬様をお連れになりました。
若旦那様の腕の中ですやすや眠る様子を見て、若奥様が悩まし気にため息を吐いておられます。

「旦那様、いくらわたくしの妊娠中にさみしいからと言って、新しい方をお迎えになるなんて」

若旦那様は顔色を変えてお犬様を私に預けると、若奥様の前に跪いて愛を囁いています。

これから先、私は何度この幸せな光景を目にすることが出来るでしょうか。
< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
第13回ネット小説大賞 小説部門 入賞作品です! ◎ツギクル様より書籍化予定です◎
魔道具士リリ ~その魔道具の小型化、うけたまわります!~
お伝/著

総文字数/1,258

ファンタジー1ページ

スターツ出版小説投稿サイト合同企画「第2回1話だけ大賞」ベリーズカフェ会場エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
何度見てもニヤニヤしてしまう。 出来た魔道具をテーブルに置き、頭もテーブルに乗せて横からも眺めてみた。 何処から見ても理想的 ♪ ホント、私って天才だわ。
【完結】愚か者の後悔
お伝/著

総文字数/125,631

ファンタジー36ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
反省も後悔もしないなら、醜聞に塗れた憎むべき存在として後世に名を残せばいい。 生国を滅亡に導き、新しい国の礎となった王女の一代記。 お読みいただきありがとうございます! おかげさまでランクインすることが出来ました<m(__)m>

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop