日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 私とチョウさんは、あまりにも距離が離れすぎている。会いたくても会えない相手。こうなる前に、ちゃんと自分の本心に向き合っていればよかった。
 菅原くんにも言われたよ。過去に囚われ、誰とも幸せになる資格がないなんて言い訳をして。そんなの、単に前を向くことを恐れていただけだ。
 逃げ続けた結果がこれ。
 頭の中がぐちゃぐちゃになり、その場で項垂れる。胸が痛くなり、嗚咽が漏れそうになった。
 たくさんの人々が行き交う観光地で、私の空間だけは孤独に包まれていた。
 諦めきれないよ。ここまで来たのに。
 会えるかも分からない相手を待ち続けるのは、とてつもなくもどかしかった。
 けれど、そんな永遠とも思われる時間も、やがて終わりを告げるの。
 私が独り悲観に暮れていた、そんなときである。
 手に持つスマートフォンが、不意に振動した。ハッとして画面を見ると、着信のお知らせが表示されている。

 電話の相手は──チョウさんだった。
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