日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 胸がドキッとする。
 私は即、応答ボタンを押した。それはもう今までにないくらい素早い反射神経で。

「もしもし、チョウさん!」

 思わず声が掠れてしまった。
 電話の向こうは、なんだか雑音があって騒がしい。それでもちゃんと聞こえてきた。低くて優しい、拙い日本語を話す彼の声が。

『哎呀。ムラオカさん、申し訳ない。ワタシは今、起きました』
「……えっ」
『昨日の夜遅く寝た。よくないですね。アナタのメッセージを今見ました。写真を見ました』
「あっ、そうなんですね……?」
『アナタは外滩にいるのですね。ワタシはとても近くに住んでいる。今すぐにアナタに会いにいく』

 焦ったような口調で、チョウさんは一生懸命喋っている。
 この感じ。久しぶりだ。
 自然と頬が緩み、胸があたたかくなった。
 やっぱり、チョウさんは変わらない。いつも通り、私のことを笑顔にしてくれるの。
< 105 / 172 >

この作品をシェア

pagetop