日本語が拙い外国人と恋仲になりました
 名残惜しそうに背を向け、帰路につく彼の後ろ姿に私は声をかけた。

「チョウさん。待って!」

 彼は変わらない笑みを私に向けてくれる。
 少しでも好きな人のそばにいたい。そんな当たり前のことですら、私は怖がって、気持ちを抑え込もうとしていた。
 
 本当は離れたくないよ。一緒にいたいよ。

 私はチョウさんのそばへ駆け寄り、彼の腕をぎゅっと掴んだ。

「帰らないで」
「えっ」
「もっと……チョウさんと一緒にいたい」

 私の告白を聞いたチョウさんは目を見開いた。今までにないくらい頬を真っ赤に染めて。
 ほら。あなたのそんなリアクションが私は好きなの……。
 私は、チョウさんに甘えた。今夜はそばにいてほしいって、よどみなく誘っていた。

 緊張した面持ちで、チョウさんはゆっくりと首を縦に振ってくれた。
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