日本語が拙い外国人と恋仲になりました
「では、そろそろ行きます」
「ああ……はい」
一瞬だけ、私たちの間に寂しさの空気が流れた。
ダメダメ。笑みは絶やさないようにしないと。
おもむろに彼から背を向け、私は検査場へと歩を進める。
すると──
「ミキさん!」
声をかけられると同時に、背後からあたたかい感触がした。ふわっと背中を抱き寄せられ、私は思わず立ち止まる。
「トウリョウさん……?」
「気をつけてください。日本着いたらアナタはワタシに連絡をする。いいですか?」
声が、微かに震えている。けれど、私を包むそのぬくもりは心地がよかった。
「必ず連絡します。またね……」
私は決して、振り返らなかった。目から勝手に溢れ出るものを、彼に見られたくなかったから。
私が恋をしたのは、中国出身の人。生まれた場所も住む所も歳もなにもかも違う相手だ。想い合っていても、離れなきゃいけないときがある。
それでも──いつかきっと、彼のそばで生活できる日が来るといいな。
チョウさんのあたたかみを背中に感じながら、私は一人上海を発った。
「ああ……はい」
一瞬だけ、私たちの間に寂しさの空気が流れた。
ダメダメ。笑みは絶やさないようにしないと。
おもむろに彼から背を向け、私は検査場へと歩を進める。
すると──
「ミキさん!」
声をかけられると同時に、背後からあたたかい感触がした。ふわっと背中を抱き寄せられ、私は思わず立ち止まる。
「トウリョウさん……?」
「気をつけてください。日本着いたらアナタはワタシに連絡をする。いいですか?」
声が、微かに震えている。けれど、私を包むそのぬくもりは心地がよかった。
「必ず連絡します。またね……」
私は決して、振り返らなかった。目から勝手に溢れ出るものを、彼に見られたくなかったから。
私が恋をしたのは、中国出身の人。生まれた場所も住む所も歳もなにもかも違う相手だ。想い合っていても、離れなきゃいけないときがある。
それでも──いつかきっと、彼のそばで生活できる日が来るといいな。
チョウさんのあたたかみを背中に感じながら、私は一人上海を発った。