秘密な恋愛
それから、他愛もない会話をしながら
流れる、穏やかな食卓の雰囲気。

(なんか、こうゆうの久しぶりだな··)
夕食を食べながら、 ふと懐かしむ佑陽。

「佑陽くん?大丈夫··?」
芽依は佑陽の様子が気になり、声をかける。

「あ、いや。なんかこうやって夕飯食べるの久しぶりだなって。」

「一人暮らし··だもんね」


ふと、少しだけ視線を落としながら
「高校入ってから、モデルの仕事初めてさ。それと同時に一人暮らしも初めて。結構夕飯も適当に済ませてたからさ」

とどこか寂しさを隠すように笑う。

そんな佑陽に芽依のママは
「佑陽くん、いつでも食べにきていいのよ」
と、にっこりと微笑む。

その言葉に、
キュ··と心があたたかくなる。

「···ありがとうございます」

そう答えながらも、 どこか照れたように笑う。

(芽依の両親、あったかいな。)



それから、夕飯を食べ終え···

「今日はご馳走様でした。」

「いいえ。あっ、佑陽くん、これ良かったら食べてね」
そういい、芽依のママはいくつか惣菜を持たせる。

「え、いいんですか··?」

「育ち盛りなんだから。ちゃんと食べてね」

「はい。」

そして
パパも
「また来なさい」
と佑陽に声をかけた。

それを聞いて
グッと胸の奥がじんわりと、あつくなる。



(認めて貰えた··ってことだよな)



玄関を出て
2人きりになった佑陽と芽依。

「佑陽くん大丈··」

芽依が話し終えるまえに、
キュ··
と佑陽は芽依を抱きしめ

「佑陽くん···?」

“はぁ”
とため息をつき

「やべぇ··まだ緊張してる··」

と芽依と2人きりになれたのか、
安心した声の佑陽。

それをみて
ふと、優しく笑いかける芽依。

「パパもママも。佑陽くんのこと、迎えてくれて良かった···」

「ん··。正直さ、ハルの話しした時。反対されんじゃねぇかなって。不安だった」

芽依の肩に顔を埋めたまま、呟く佑陽。

「··大丈夫だよ」
「えっ?」

「病院の時ね、ちゃんと佑陽くんの事。見てたんだと思うよ?」

その言葉を聞いて
佑陽は少しだけ驚いた表情をする。

「俺を?」
「うん。ママ言ってたよ?“しっかりした男の子ね”って」


「···まじか」
手の甲で口元を押さえて、
照れを隠すように視線を逸らす佑陽。

“はぁ”
と佑陽は小さく息を吐き

「最後さ。“また来なさいって”··俺、認めて貰えたって事だよな··?」

「··うん笑。」
芽依は、佑陽の両手を取り、
キュっと握り締め
優しく笑いかける。

「··そっか。」
佑陽も安心したように
ふと笑った。
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