秘密な恋愛
それを見た拓海は
(芽依は今、幸せなんだな)


嬉しいはずなのに、
素直に喜べない自分がいる。

「幸せそうだな、芽依」
「へっ///!?」
「顔に出てる」
ふと、少しだけ笑う拓海。


拓海にそう言われ、
顔が熱くなる芽依。
「からかわないでよ···//」
「まぁ。芽依が幸せなら良かったわ」

そう呟く拓海の声は、
どこか寂しそうだった。

芽依はその違和感が気になり
「拓海くん?」
と声をかける。


(話すなら、今しかねぇよな···)
拓海は小さく息を吐く。


「俺、同級会ん時さ」
「同級会?」
「あ、もしかして覚えてねぇか。10月にさ、芽依のクラスで同級会やったんだよ」

「そうなんだ···?」
同級会のことは事故の影響か、
芽依には分からない。


「その時ちょうど、芽依のクラスのやつと俺一緒にいてさ。これから同級会やるって聞いて。
もしかしたら芽依いるかもって思って、俺も行ったんだよ」


雨音の中、拓海は少し苦笑する。
ポケットに手を入れて、視線を逸らし

「もう会わない方がいいって思ってたんだけど」

芽依は静かに聞く。


「俺ん中でさ。ずっと芽依のこと引っかかってた」


その言葉に、
少しだけ胸がキュっとなる芽依。

「時間経ったらさ、忘れると思ったんだけど。無理だった」

芽依は何も言えず、
ただ黙って拓海を見つめる。


「芽依、やっぱめちゃくちゃ可愛くなってるし。
正直、同級会ん時、平常心でいるのキツかった」
そう言って、少しだけ笑う。


「彼氏いるって聞いてさ。どんなやつかと思ったら。めちゃくちゃ芽依のこと大事にするやつでさ。芽依も幸せそうだったし···あ、俺無理だなって」


(拓海くん···)
拓海の表情はどこか辛そうで、
どうしていいか分からない芽依。
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