ずっと夢を見ていたかった

第8話 楓の母

私は母に打ち明けた。

春の兄・冬馬のことが好きなんだと…。


突然。
母は私の頬を強く叩いた。
怒りながら。泣きながら。

何で母が怒っているのかわからない。
優しい母のこんな姿は初めて見た。

「あなたは作間くんと結婚するの!!!
そう決まってるの!作間くんしかいないの!」

???

「私が何で今まで…ここまで…うぅ…あああ!」


母は夜中泣き続けた。

父は出張でいなかった。

どうしたらいいかわからなかったから、
私は夜中母に謝り続けた。

「作間くんにしなさい!
作間くんしかいないの!!」

「ごめんなさい…。」

「作間くんと結婚するの!!!
わかったわね!?」

「ごめんなさい…。」

「わかったわね!?わかったわね!?」

「はい…。」


母は許してくれなかった。
私は作間の彼女のままでいるしかなかった。

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