ずっと夢を見ていたかった

第7話 楓の話

私は楓。

両親と共に暮らしている。
作間という彼がいる。
春という親友がいる。
誰が見ても幸せな女子高生だ。


母は私をかわいがった。
小さい頃からかわいい服を着せられ、
マメに美容室に連れて行かれた。
女は美しくいないと駄目なんだそうだ。


作間は同じマンションの隣に住んでいた。
気づいたら、彼氏になっていた。
幼稚園の頃から、何故かまわりは
皆そう思っていた。

作間は私のことが大好きなようで、
いつも大事に扱ってくれた。
私は何も疑問を持たなかった。

あの日までは…。


中2の時、春の兄・冬馬さんに会うまでは…。


私は冬馬さんのことが好きな自分に
気づいてしまった。

作間に対して申し訳ない気持ちになった。


誰かに相談したかった。
親友の春…
春には言えなかった。
春は作間のことを好きだから。
春は何も言わないが私は気づいていた。

春には言えない…。


私は母に相談した。

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