【企】Anniversary
俺…何も聞いてない。


彼女から、聞くまで信じたくなかった。


頭の中は、ぐちゃぐちゃで学校からグランドに向かう足取りも胸が締めつけられるよ…!


転校って…?


来月って?


一体どこに行っちまうんだよ?

「カキーン!!!」


バットの音。部員達の掛け声。

その中に、一緒になって激を飛ばしている楓の姿。


マジかよ……?


来月から、県大会が始まるって時に!


もし、事実だったら


「行かないでくれ!」


そんな言葉も、中学の俺には、言えない。


「晃!!遅いよ〜!」


楓は、いつものように変わらぬ笑顔で、手招きした。
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