【企】Anniversary
今年も、仕事三昧で終わった気がする。


酔った上司をタクシーに乗せると、どっと疲れが出る。


まだ、この歳にして、両親と暮らしている俺。


自立しなきゃと思いつつ、なかなか実行に移せない。


時計を見ると、とっくに午前様になっていた。


暮れになると思い出す。


俺の大事な人。


なんだか…温かいものが、心の中に染みてくる。


『今年もくるだろうか?』


年に一度の約束。


そして、壁に掛けてある野球バッドと、本棚に飾ってあるボールを眺めていた。
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