【企】Anniversary

『カキーン〜!!』

鳴り響く、バッドの音。


薄暗くなったグランドの隅から聞こえる声の先には、宮原がいた。


「なんか用?」


その時の俺は、優勝を目指していた心が意図も簡単に砕けた、憤りしかなかった。


だから…宮原が居ても、関係なしに、バッドを振り続けた。


「神島く〜ん…!!!」


大声で叫ぶ宮原に、びっくりした。


そして、意味分からない行動をしたんだ。


辺り一面にばらまいてある野球ボールを拾い集めてる宮原。


「制服汚れっから止めなよ!」

「そう?楽しいけど!?」


宮原は、笑いながらボールを拾い集めては籠に入れ、俺から見たらマジで楽しんでいる様子。

何やってんだか?


それが、俺たちの二人の距離を縮めていたんだ。
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