クールな秋くんと絆される咲菜ちゃん
プロローグ〜捨て猫が導く出逢い〜
二人の出逢いは、高校一年の春。

秋鷹と咲菜が入学した高校は、進学校でありながら自主性を重んじる校風だった。
そんな中、秋鷹は入学当日から目立っていた。

背が高くイケメン、銀髪にピアス、そして恐ろしい雰囲気を醸し出していたからだ。

咲菜は、そんな秋鷹に恋心を抱いていた。

秋鷹は誰ともつるまず、いつも一人でいて、凛としていてカッコ良い。
更に頭も良くて、どんなスポーツも出来る。

人を寄せ付けない恐ろしい雰囲気がなければ、とっくに声をかけまくっているところだ。

そんな………声さえもかけれない日々(というより咲菜が同じクラスメイトだと認識されているかもわからない)を過ごし、あっという間に10ヶ月が過ぎた。


その日咲菜は、友人と学校帰りに遊んで帰宅していた。
ゆっくり歩いていると、なんとコンビニから秋鷹が出てきたのだ。

「あ…」
(東海林くんだ…!)

秋鷹は、コンビニで買ったであろうパックの牛乳を持っていた。

思いがけない所で会えたことが嬉しくてついて行くと、外れの路地に捨てられた猫がいた。
そして秋鷹は、その捨て猫に牛乳を与えていた。

(わ…//////)

猫を撫でながら、少し微笑んでいた秋鷹。
咲菜はその姿に、更に心が奪われていく。

その日から毎日咲菜は、捨て猫のところへ向かった。
するといつも秋鷹がいて、猫に牛乳や餌を与えていた。

その時の秋鷹はいつもの恐ろしさはなく、穏やかで優しい雰囲気だった。


それでも声をかけれず、何かきっかけを探していたある日。
秋鷹が担任に呼ばれて、捨て猫の所へ行くのが遅くなった日。

秋鷹がいつもの場所に向かうと……

「え……」

咲菜が牛乳を与えていた。
その姿に目を見開き、ゆっくり近づく秋鷹。

すると、気配に気づいた咲菜が秋鷹を見た。

「あ…」
「………」

これが、二人が初めて目を合わせた瞬間だ。

「あ、ご、ごめんなさい!
勝手に牛乳……」

「あ、いや、別に…」

「………」

「………」

「あ、え、えーと…わ、わた、私これで…!!」
咲菜は慌てたように鞄を取り、駆けていった。


そして次の日。

「――――実田さん」

「………え…?」

秋鷹に声をかけられた咲菜。

「昨日は、ありがとう」

「え?」

「ちゃんと、お礼言ってなかったから」

「え、あ、う、うん」
(てか、私の名前…知ってたんだ…!
嬉しい…!)

咲菜がひそかに感激していると………

「今日も行くけど、実田さんも来る?」

「………え…!?」

秋鷹から、思いがけない誘いを受けたのだ。



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