この空の青を、君は知らない
今日も、同じようにスケッチブックを鞄に入れて、屋上の扉を開けた。
天音は……いない。
浅く吐いた息が、そのまま夜に溶けていく。
何か、あったのかな……
そう考えて、ふいに夜明けの絵を描いたあの日の天音の顔が浮かぶ。
あの日、僕らは話し込んでいて、気づいたら夜が明けそうになっていた。
日の出の絵を描こうとしたそのとき、
天音は驚いたような顔をして、急いで帰ってしまった。
——あの顔は、なんだったんだろう。
疑問は次から次へと浮かんでくるのに、答えはどこにもない。
考えても何もわからないままだった。