月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
 ならば、奪うしかない。神の光が自分を見放すなら、自ら闇の力を選ぶまで。
 バネッサは唇を噛みした。

 (そう。だから私が……)

 バネッサの瞳に冷たい光が宿る。扇を閉じ、ゆっくりと顔を上げた。
 このままでは終わらせない。奪われたものは、必ず取り返す。
 たとえ、それが〝聖女〟の光を穢すことになろうとも――。
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