月夜の呪われ王子と追放王妃~力のない聖女などいらないと厄介払いしたのをお忘れですか? 辺境の地で幸せを掴みましたので、今さら謝られても戻りません
翌朝、まだ空が白む頃、城の中庭ではレオナールとエリオットが並んで立っていた。夜露に濡れた石畳を、靴音が静かに響く。
「帰りは二日後の予定だ。なにかあればセルジュに伝えてくれ」
レオナールの声は落ち着いていたが、その瞳にはわずかな緊張が滲んでいた。
「お気をつけて」
エミリアはそう言って軽く頭を下げた。
ここから東へ向かった砦は、古い結界が張られている場所だ。このところ発生している瘴気の出所を探るための視察である。
王都にまで魔獣が現れる状況は尋常ではない。エリオットは王命を受けてここへ来たのだという。
さすがのルーベンも、祝宴の席で暴れ狂う魔獣を掃討したレオナールの腕を見込んだのか。あのときレオナールがいなければ、ルーベンは命を落としていただろう。
「心配するな、長くはかからぬ」
「ええ。でも、どうか無理はなさらないでください」
エミリアが言うと、レオナールは一瞬だけ穏やかな笑みを浮かべた。
その横でエリオットが軽く頭を下げる。
「必ず殿下を無事にお戻しします」
冗談めかして言いながらも、その眼差しは真剣だった。
東の空が淡く金に染まりはじめる。
「帰りは二日後の予定だ。なにかあればセルジュに伝えてくれ」
レオナールの声は落ち着いていたが、その瞳にはわずかな緊張が滲んでいた。
「お気をつけて」
エミリアはそう言って軽く頭を下げた。
ここから東へ向かった砦は、古い結界が張られている場所だ。このところ発生している瘴気の出所を探るための視察である。
王都にまで魔獣が現れる状況は尋常ではない。エリオットは王命を受けてここへ来たのだという。
さすがのルーベンも、祝宴の席で暴れ狂う魔獣を掃討したレオナールの腕を見込んだのか。あのときレオナールがいなければ、ルーベンは命を落としていただろう。
「心配するな、長くはかからぬ」
「ええ。でも、どうか無理はなさらないでください」
エミリアが言うと、レオナールは一瞬だけ穏やかな笑みを浮かべた。
その横でエリオットが軽く頭を下げる。
「必ず殿下を無事にお戻しします」
冗談めかして言いながらも、その眼差しは真剣だった。
東の空が淡く金に染まりはじめる。