欠けていく世界で、きみの光を見つけた
教室の中は、この間用意された分厚いカーテンで覆われていた。

あの日は怖いと思った暗闇だけど。

今は切り抜かれた星や月から差し込む光で明るく彩られ、素敵な空間になっている。

天井で揺れる銀色の飾りは、その光を反射してまるで本物の星みたいにきらきらと瞬いていた。

それでも、決して明るいとは言えない教室。

いつもの私なら少し立ち止まってしまうところだけれど、今日は繋がれた手の温もりが心強かった。

「こちらの席へどうぞ」

案内されたのは窓際の席だった。

カラーフィルムで作られたステンドグラス越しに昼の光が差し込み、この教室の中では一番明るい場所。

ひまりはどこか得意げに笑い、私はそんな彼女に小さく笑い返した。

私が椅子に座るのを確認してから、泰ちゃんも隣に腰を下ろす。

座っても離れない手のひらに、私はそっと彼を見上げた。

「泰ちゃん……」
「なに?」

あまりにも自然に返されて、私は思わず笑ってしまう。

くすくすと笑う私を泰ちゃんが不思議そうに眺める中、注文を取りに来たのは、ふうかとひまりだった。

「ご注文お決まりですかー?」

ひまりがにこにこと笑いながら近づいてくる。

その隣でふうかは私たちの手元をちらりと見て、ふわりと目を細めた。

テーブルへメニュー表を置くと、小さなライトを取り出す。

「はい」

ぱちり、と柔らかな光が灯って、メニュー表の文字が見やすく浮かび上がった。

「ありがとう」

私がお礼を言うと、ふうかは優しく笑う。

その声に重なるように、ひまりがにやりと口角を上げた。

「じゃあ、ふたりでごゆっくり〜」

わざとらしく語尾を伸ばしながら去っていく二人の背中に、私は思わず頬を押さえた。

視線を感じて顔を上げると、泰ちゃんがこちらを見ている。

「い、言ってないよ。昨日の今日だし、そんなタイミングもなかったし!」

慌てて首を振る私に、泰ちゃんは小さく笑った。

「隠す気もないよ別に」

そう言ってメニューに視線を落とす。

「あいつらには昔から色々バレてたし」

テーブルの下では、相変わらず手を繋いだまま。

その温もりを意識した途端、急に顔が熱くなって、私はそっと唇を噛んだ。
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