Good day ! 5
無事に巡航に入ると、大和が笑顔で振り返った。

「なんか不思議な感じがした。舞の声、昔の恵真とそっくりでさ」

は?と、恵真は真顔になる。

「昔って、どういう意味ですか? 私の声まで年老いたってこと?」
「そういう意味じゃなくて。そうだな、今はマダム感があるかな」
「ちょっと、大和さん! それって年老いたってことですよね?」
「違うって。イケボになったなあって」
「女性のイケボってなんですか?」

まあまあと、翼が手で遮った。

「二人とも子どもの前で子どもじみたケンカしないでくれ。それにコックピットの中だぞ?」

その時、コンコンとドアがノックされる。

「伊沢です。コーヒーをお持ちしました」

翼が立ち上がってドアを開けた。

「サンキュー、美羽」
「いいえ。なんだかにぎやかな声が聞こえてきましたが、なにかありました?」
「ん? 犬も食わない仲良し夫婦のじゃれ合いケンカ」

ちょ、翼!と、恵真は真っ赤になる。

「ふふふっ、そうなんですね。コックピットの中がほわんとしてます。お幸せにー」

そう言って美羽は笑顔で出ていった。
< 68 / 80 >

この作品をシェア

pagetop