Good day ! 6
無事に新千歳空港に到着すると、別のスポットに駐機しているB777に移動する。

いよいよだと、大翔は気持ちを引きしめた。

「あら、佐倉さんもご一緒なの?」

ここでもチーフパーサーの佐々木の言葉に、CA達が笑顔で恵真と大和を見比べる。

大翔はまたしても、日本の風習に頭を悩ませていた。

コックピットに入ると、恵真が別の副操縦士とコックピットブリーフィングを始める。

大翔も後ろから熱心に耳を傾けた。

トリプルセブンのコックピットは、近未来的なドリームライナーとは雰囲気が違う。

「藤崎キャプテン、少しうかがってもよろしいでしょうか?」

恵真の手が空いたタイミングで、大翔は思い切って尋ねた。

「はい、どうぞ」

にこやかに振り返る恵真に、大翔は顔を上げる。

「ナビゲーションディスプレイのレイアウトなのですが……」

視線が合うと、大翔はピタリと言葉を止めた。

(え、なんだ?)

ん?と、わずかに首をかしげる恵真を見ているうちに、デジャヴのような不思議な感覚にとらわれる。

優しい眼差しながらキリッした目元。

微笑みながらも凛として、女性らしいのにかっこいい。

そんな人を、他にも知っている気がした。

(誰だろう。どこかで会った気がする。藤崎キャプテンにそっくりな人に)

すると隣から、これでもかと言わんばかりの大きな咳払いが聞こえてきた。

「相澤くん、質問があるなら今すぐ言いなさい」

低く冷たい大和の声に、大翔はハッと我に返る。

どうやら大和の豹変スイッチを押してしまったようだ。

「はっ、いえ、あの。なんでもありません。失礼しました」

もはやなにを聞こうとしたのか、さっぱり思い出せなかった。

「相澤キャプテン、いつでも質問してくださいね」

恵真の優しい口調に、大翔はホッとする。

「はい。ありがとうございます、藤崎キャプテン」

恵真はにっこり微笑んで頷く。

大翔も頬を緩めたが、隣から突き刺すような大和の視線を感じて、再び表情を引きしめた。
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