Good day ! 6
「俺、タッチアンドゴー得意なんだ」

アナウンスを終えた大翔が、自慢げに舞に笑いかける。

「そうなんですか?」
「ああ。けど、今回のハードランディングはわざとだからな。ヘタクソとか言うなよ?」
「ふふっ、言いませんよ。ふわっと下りる方が、今回はヘタクソですから」
「あ、ヘタクソ言ったな?」
「言ってませんよ」
「言ったじゃないか」
「言ったけど、言ってませんよ」

二人で顔を見合わせて、ふっと笑う。

そして同時に表情を引きしめた。

「よし、行こう」
「はい、お願いします」

暗闇の中にくっきりと浮かび上がる滑走路のライトを、二人で真っ直ぐに見据える。

「Approaching minimum」
「Checked」
「Minimum」
「Continue for Touch-and-Go」
「Roger」

やがて滑走路すれすれまで来ると、大翔はタイミングを計ってメインギアを強めに接地させた。

ガツンという衝撃がコックピットにも伝わる。

「Touch down. Check gear light」
「No green!」

期待に反して、ランプは緑には変わらなかった。

「Go around. Flaps 15. Power set」
「Air speed alive……Positive rate」

無事に高度を上げると、二人でランプを確認した。

「状況変わらず……か。さてと。これ以上は燃料も、お客様の我慢も、ついでに俺のテンションも持たない。そろそろ下りよう」

大翔は真っ直ぐに舞を見つめて告げる。

「We are preparing for a partial gear-up landing. 胴体着陸のチェックリスト開始」
「Roger」

舞は必死で己を落ち着かせながら頷いた。
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