新堂さんと恋の糸
 ピンポーン、というインターホンの鳴る音で目が覚めた。

 目を開けて時間を確認すると十八時。もう四時間近く寝ていたことになる。
 ベッドから体を起こすと、熱はまだ下がっていないようで頭が重い。ベッドの上で出るべきか悩んでいると、もう一度ピンポーンと鳴った。

 「誰だろう、もしかして有働くんかな?」

 (心配してまた来てくれたとか?さすがにそれはないか)

 布団から出た瞬間、ぶるっと寒気が走ったので、薄手のカーディガンを羽織る。
 この前の事務所でのことが頭をよぎって慎重にインターフォンに出た。モニターに映っているのは―――新堂さんだった。

 「……えっ!?」

 私はびっくりしすぎて大急ぎでドアを開けると、驚いた顔をした新堂さんがいた。

 「いきなり開けるな、何のためのインターフォンなんだよ」
 「し、新堂さん!?なんで……」
 「なんでって、見舞い」

 バタン―――

 私は、勢いよくドアを閉めた。
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