幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係〜
お話18.あやかし狐の律
公園。ある日の事。
恋は、いつかと同じようにまた花壇を眺めていた。
あたりには甘い良い香り、まるで恋を誘うかのように、花は風に揺れている。
いつかと同じように狐の姿で花壇を歩いてみたくなった恋は、人が居ないのをキョロキョロと確認してから、ドロン!と変身した。
狐で花壇を歩いていると、向こうの方から、こっちに向かって歩いてくる男の子が居るのに気がついて、恋はあれっと思った。
────どこかで見たような気がするけど。
自分と同じ様な色のオレンジがかった茶色い髪と目。整った顔立ち、まるであやかしのような。
男の子はまっすぐこちらに向かってきて、何食わぬ顔で花壇に入ってから、突然、すとんと恋のそばにしゃがんだ。
目の前の子狐に向かって、男の子は口を開いた。
「見つけた。あやかし狐!」
恋はドキっとして、そのまま走り去ろうとしたが、それよりもその男の子の方が動いた方が早かった。
「同胞!。」
男の子はそれだけ言うと、モクモクと白い煙をあげて、ドロン!と狐の姿に変身したのだった。