幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係〜






「さてさて、恋、腹ごしらえしませんか?」


 一旦テント前に集合した三人に、律は言うと、鞄のビニール袋から菓子パンを沢山出し始めた。

 

「向井、迷惑。僕の作るカレーが食べられなくなるだろ。せっかく今日は僕の料理の腕の見せどころなのに。」

「遊んでるうちにお腹すきますよ。樋山さんも食べてください。」



 クリームパンに、チョコを練り込んだデニッシュに、ソーセージとチーズのパン、ピザパンにコーンツナマヨパン。
 恋達は緑の爽やかなそこでしばらく美味しく菓子パンを食べた。

 

「恋」

 
 菓子パンを食べて、美風がちょっと席を外している隙に、律が笑顔で言った。


「狐になりません?」

「あ、でも、樋山くんが」

「関係ないですよ。恋は樋山さんなんて放っとけば良い。今は誰も見てませんね……」


 
 ドロン!と音がして白い煙を立てて律が狐になった。


 律の狐姿を見るうち、恋も狐になりたくなって来て、慌てて律の後を追ってドロン!と変身した。



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