幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係〜
しばらく会場に展示された他の人の新聞を見ていた恋は、後ろから肩を叩かれて振り向いた。
「恋」
「あ、律」
そこに居たのは私服姿の律で、律は恋が振り向くとわざと口元だけ笑った。
「会えると思ってました。加納先輩と石巻先輩から、僕の写真も使ったって言われて見に来たんですよ。」
「使われてたっけ?」
恋が聞くと律は笑いながら、
「黒白王子の三角関係に刺客!っていうキャッチコピーのその刺客が僕です。横から見たのと、前から見た写真が両方載せてありました。小さい写真ですけどね。変わった趣向。記事も面白かったです。随分誇張されて書かれてたけど。記事ってそういうものなんですか?」
と聞いた。
「あ、向井」
「げ、向井も来たのかよ」
律に気づいた宗介と美風が微妙な顔をしていると、律はふっと笑って言った。
「上野さんは黒王子で、樋山さんは白王子なんですよね。実際に二人を知ってる僕は、なんだか笑っちゃいます。」
「喧嘩売ってんの?。僕だって、好きで書かれてる訳じゃない。加納先輩達が勝手に書くんだ。そういや前に加納先輩に黒王子の黒って何か問い詰めたら、クールの黒で漆黒の黒、とか意味不明な事言うんだぜ?。そういう事を聞いてる訳じゃない。」
「好きで書かれた事なんて一度もないよ。何のことなのか未だに分からないしね。今日は3枚も自分の写真が使われてるのを見ちゃってどっと疲れた。今回も顔がきちんと写ってる写真で、撮られてるのに気づいてなかったんだ。呼ばれてないのに自分の写真を見に来るなんて、向井は目立ちたがりなんじゃない?」
「僕は目立ちたがりですよ。目立つの好きですもん。」
律が余裕綽々で言った。
「今度は僕だけを特集してくださいって、加納先輩に頼んだんです。良いって言われましたよ。恋と絡めて、沢山報道してくださいって言っておきました。恋は公式の姫ですもんね。」
「うざ。お前と恋は関係ないだろ。」
「あ、律ちゃん!」
理央がやってきて、律の背中を叩いた。