29歳新人女性弁護士 超イケメンハイスペックな先輩に溺愛されちゃいました♡
その解説を受けている、まさにその時であった。華恵と田森の妻が買い物から戻ってきたのだ。ちょうど顔を寄せ合って判例集を開いているところで、である。

「あれぇ、珍しいですね。先輩と藤川さんがおしゃべりですか?」

その声色に疑いの波長は微塵も含まれてなかった。

「ちょっとわかんないことあって、田森所長はまだしばらく戻んないから、教えてもらってるの」

むしろレイナの方が何倍も狼狽しているように見えたかもしれない。

「そうなんですね」

そう言ったきり、華恵は特にそれ以上、話に割り込んでは来なかった。レイナも華恵の様子は伺わなかった。そのまま藤川に教えてもらい、その問題は解決した。

その日を境に、レイナは華恵と話すことが益々気まずくなった。休憩の時間帯に事務所内にいて昼食に誘われても、難癖をつけて、時間をずらしたりした。

Xデーは確実に接近している。レイナの勘がそう告げていた。
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