こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
「は? ちょっと佐久間!」
「すっげーな、ハルカ!」
社内からもヤスを先頭にみんなが外に出てくる。
「山本製薬が俺のアプリに興味持つなんて、俺すごくないか?」
「ヤスさん説明するとき日本語変だったよ」
「緊張するに決まってんだろ」
富樫とヤスもテンションが高い。
社員たちもどことなく浮かれた感じだ。
「工場のシステムが減った分を少しでも取り戻せたらいいな」
「ヤスさんに社運がかかっちゃった」
「おー、まかせとけー」
不安だと揶揄われるヤスをみんなで笑い合えるこの会社の雰囲気が大好きだ。
最近契約の打ち切りばかりで暗いニュースが多かったから、本当に良かった。
パーティに連れて行ってくれた隼人に感謝しないと。
「んで、どうやって知り合ったんだよ」
佐久間の問いに社員たちが興味津々な顔で遥を見つめる。
「先週の金曜に伊集院製薬の社長退任慰労パーティーに連れてってもらったのよ」
えらい人ばっかりで緊張したと遥が話すと、社員たちはどんな雰囲気だったのか聞きたがった。
セレブは庶民と食べる物が違うのか、どんな会話で盛り上がるのか、お嬢様はいるのか。
「あ~、思い込みが激しいお嬢様がいてね。水ぶっかけられて」
「は?」
「残念ながらパーティーは途中退場よ」
「なにやってんすか」
さすがうちの社長だと社員たちはゲラゲラ笑う。
「でも、山本製薬なんて大物捕まえてきたんだから、すごいっすね」
「でしょー!」
もっと褒めなさいと遥がドヤ顔をすると、社員たちは遥の背中をバシバシ叩きながら建物の中へ。
「おい、水かけられて風邪とか大丈夫だったのかよ」
「え~、もしかして心配してくれたの、佐久間~」
揶揄ったつもりが耳を赤くしながら顔をそむける佐久間の態度に、普段は鈍感な遥もさすがに気づく。
「じょ、丈夫だけが取り柄だし、と、とにかく大丈夫!」
ヤバい。こっちまで顔が赤くなりそう。
早くみんなのところに戻ろう。
「ハルカ!」
そそくさと建物に戻ろうとする遥の手首が佐久間に掴まれる。
どうしよう。掴まれた手首が熱い。
心臓飛び出しそう。
アラサーのくせにこんな初心な反応していたらダメでしょ。
「あのさ」
佐久間が話しかけようとした瞬間、会社の目の前に黒塗りの高級車がハザードをつけて停車する。
「高級車?」
「今日、約束はもうないけれど?」
注目する遥と佐久間を横目に運転席から降りたスーツの男性が、後部座席の扉を開きサッと日傘を差した。
「なにこのボロい建物」
ビジネス街が全く似合わないふりふり花柄ワンピースのお嬢様が、汚いものでも見るかのような目でこちらを見ながら車から降りる。
なんでお嬢様がここに?
遥は身体の横でギュッと拳を握りしめた。
「すっげーな、ハルカ!」
社内からもヤスを先頭にみんなが外に出てくる。
「山本製薬が俺のアプリに興味持つなんて、俺すごくないか?」
「ヤスさん説明するとき日本語変だったよ」
「緊張するに決まってんだろ」
富樫とヤスもテンションが高い。
社員たちもどことなく浮かれた感じだ。
「工場のシステムが減った分を少しでも取り戻せたらいいな」
「ヤスさんに社運がかかっちゃった」
「おー、まかせとけー」
不安だと揶揄われるヤスをみんなで笑い合えるこの会社の雰囲気が大好きだ。
最近契約の打ち切りばかりで暗いニュースが多かったから、本当に良かった。
パーティに連れて行ってくれた隼人に感謝しないと。
「んで、どうやって知り合ったんだよ」
佐久間の問いに社員たちが興味津々な顔で遥を見つめる。
「先週の金曜に伊集院製薬の社長退任慰労パーティーに連れてってもらったのよ」
えらい人ばっかりで緊張したと遥が話すと、社員たちはどんな雰囲気だったのか聞きたがった。
セレブは庶民と食べる物が違うのか、どんな会話で盛り上がるのか、お嬢様はいるのか。
「あ~、思い込みが激しいお嬢様がいてね。水ぶっかけられて」
「は?」
「残念ながらパーティーは途中退場よ」
「なにやってんすか」
さすがうちの社長だと社員たちはゲラゲラ笑う。
「でも、山本製薬なんて大物捕まえてきたんだから、すごいっすね」
「でしょー!」
もっと褒めなさいと遥がドヤ顔をすると、社員たちは遥の背中をバシバシ叩きながら建物の中へ。
「おい、水かけられて風邪とか大丈夫だったのかよ」
「え~、もしかして心配してくれたの、佐久間~」
揶揄ったつもりが耳を赤くしながら顔をそむける佐久間の態度に、普段は鈍感な遥もさすがに気づく。
「じょ、丈夫だけが取り柄だし、と、とにかく大丈夫!」
ヤバい。こっちまで顔が赤くなりそう。
早くみんなのところに戻ろう。
「ハルカ!」
そそくさと建物に戻ろうとする遥の手首が佐久間に掴まれる。
どうしよう。掴まれた手首が熱い。
心臓飛び出しそう。
アラサーのくせにこんな初心な反応していたらダメでしょ。
「あのさ」
佐久間が話しかけようとした瞬間、会社の目の前に黒塗りの高級車がハザードをつけて停車する。
「高級車?」
「今日、約束はもうないけれど?」
注目する遥と佐久間を横目に運転席から降りたスーツの男性が、後部座席の扉を開きサッと日傘を差した。
「なにこのボロい建物」
ビジネス街が全く似合わないふりふり花柄ワンピースのお嬢様が、汚いものでも見るかのような目でこちらを見ながら車から降りる。
なんでお嬢様がここに?
遥は身体の横でギュッと拳を握りしめた。