こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
「じゃ、また明日ね。ハルカちゃん。パソコンお願いね」
「おい、乗っていけ」
「家、ここから近いんで大丈夫です」
 隼人の申し出を断り、ペコッとお辞儀をして富樫は去っていく。
 どうして隼人が迎えに来たのか聞かないの?
 なんでそんなに冷静に去っていくのよ。

「会社に寄るのか?」
「このパソコンを会社に置いて帰ろうかと」
「明日の朝、会社まで送るのではダメか?」
「別にかまわないけれど」
 車の中で隼人からどんなトラブルだったのか尋ねられた遥は、わからないなりに状況を伝えた。
 富樫が話していたことを半分も理解できなかった遥の残念な説明でも、隼人は「なるほど」と理解したようだった。
 なにが「なるほど」なのか、さっぱりわからないけれど。

 それよりも。

「車、運転できるんだ」
 いつもは秘書の田沼の運転だし、肉フェスの時はタクシーだったのに。
 
「左側通行には慣れなくて、極力しない」
 あ、そうか。ロサンゼルスは左ハンドルに右側通行で日本と違うから。
 でも普通に問題なく運転してそうだけれど。

「日本よりロサンゼルスの方が長いの?」
「12歳から向こうだ」
 12歳からロサンゼルスなのに、父のお世話になったから私に融資?
 やっぱりなんか変だ。

 車をマンションの地下に停め、住人専用エレベータで最上階へ。
 パソコンは隼人が運んでくれた。
 リビングのテーブルの上に置くのかと思ったら、なぜか隼人の仕事の机へ?
 なぜかモニターと接続している?

「えっと、私じゃ黒い画面とか出せないけれど?」
「大丈夫だ」
 隼人は慣れた手つきで富樫と同じ黒い画面を出し、何かを入力していく。
 流れていく文字が早すぎて何が出ているのかすらわからないけれど、作業は富樫がやっていたことに似ているような気がした。

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