こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
「アプリ以外の製品もあるのかい?」
「もともとは工場の部品在庫管理や工程管理がメインなんです」
「部品在庫……」
醍醐は手を口元にあてながらブツブツ独り言を呟きながら、ひとりで納得している。
きっと今、頭の中ではスーパーコンピュータ並みの計算が繰り広げられているのだろう。
「そっちも資料をもらえるかい?」
「はい。一緒に送らせていただきます」
遥がお辞儀をすると、醍醐の視線は隼人に。
隼人はペコリと会釈をするだけで、特に醍醐との会話はなかった。
この人とは知り合いじゃないんだ。
しかもM-ADCのCEOだと名乗ったりもしないんだ。
「ねぇ、どうして名刺交換しなかったの?」
「今日の俺はツクモ社長のエスコート役だからだ」
ただの脇役だと言いながら、隼人は遥の少し長めの前髪を耳にかける。
少しくすぐったかったが、なぜか遥は嫌な気がしなかった。
クルーズ船はレインボーブリッジをくぐり、桟橋へ。
360度パノラマビューが織りなす壮大な夜景はこれで終わりだ。
「ありがとう。連れてきてくれて」
「柘植会長夫人の招待だろ」
俺はなにもしていないと言うけれど、このドレスだって装飾品だって準備してくれたのは隼人だ。
私が直接招待されたとしても、レンタルドレスが精いっぱい。
それどころか、ドレスではなくビジネススーツで参加してしまった可能性もある。
「うまく仕事が繋がっていきそうだな」
「あなたのおかげでね」
「ツクモが動画広告契約を取れば、こっちも潤うからな」
どんどん働けよと揶揄う隼人の言葉にはもう慣れた。
目的はわからないが、隼人がツクモの売り上げを伸ばそうとしていることには変わりない。
だったらこっちも最大限に利用させてもらうだけだ。
「次はどんな手で売り上げを伸ばさせてくれるの?」
「まずはアプリを完成させてほしいけどな」
たしかに。
ヤスさん、早めにお願いします。
隼人のエスコートで船から降りた遥は、今まで乗っていた大きな船を見上げながら「夜景、きれいだったな」と小さな声で呟いた。
◇
夢のような世界のあとは、もちろん現実世界。
マンションへ戻った遥は、着替えてすぐパソコンを開いた。
サーバーに入っているヤスのアプリを起動し、最新の画面を画像で保存。
健康管理アプリのパンフレットの画像を更新し、機能も修正。
脳トレアプリも起動し、開発中のイメージですと書きながらパンフレットに追加した。
部品の在庫管理のパンフレットデータもひととおり確認し、全部添付して醍醐にメールを送信。
「送った~!」
無事に送信完了できた遥は、両手を上げながら大きく伸びをした。
時計は朝の5時ちょっと前。
昨晩ディナークルーズから帰ってから資料を作ったのでこんな時間だ。
「コーヒー飲むか?」
「起きていなくてよかったのに」
昨晩、遥が資料を作り始めたら、当然のようにパソコンの前に座り隼人も仕事を始めてしまった。
「もともとは工場の部品在庫管理や工程管理がメインなんです」
「部品在庫……」
醍醐は手を口元にあてながらブツブツ独り言を呟きながら、ひとりで納得している。
きっと今、頭の中ではスーパーコンピュータ並みの計算が繰り広げられているのだろう。
「そっちも資料をもらえるかい?」
「はい。一緒に送らせていただきます」
遥がお辞儀をすると、醍醐の視線は隼人に。
隼人はペコリと会釈をするだけで、特に醍醐との会話はなかった。
この人とは知り合いじゃないんだ。
しかもM-ADCのCEOだと名乗ったりもしないんだ。
「ねぇ、どうして名刺交換しなかったの?」
「今日の俺はツクモ社長のエスコート役だからだ」
ただの脇役だと言いながら、隼人は遥の少し長めの前髪を耳にかける。
少しくすぐったかったが、なぜか遥は嫌な気がしなかった。
クルーズ船はレインボーブリッジをくぐり、桟橋へ。
360度パノラマビューが織りなす壮大な夜景はこれで終わりだ。
「ありがとう。連れてきてくれて」
「柘植会長夫人の招待だろ」
俺はなにもしていないと言うけれど、このドレスだって装飾品だって準備してくれたのは隼人だ。
私が直接招待されたとしても、レンタルドレスが精いっぱい。
それどころか、ドレスではなくビジネススーツで参加してしまった可能性もある。
「うまく仕事が繋がっていきそうだな」
「あなたのおかげでね」
「ツクモが動画広告契約を取れば、こっちも潤うからな」
どんどん働けよと揶揄う隼人の言葉にはもう慣れた。
目的はわからないが、隼人がツクモの売り上げを伸ばそうとしていることには変わりない。
だったらこっちも最大限に利用させてもらうだけだ。
「次はどんな手で売り上げを伸ばさせてくれるの?」
「まずはアプリを完成させてほしいけどな」
たしかに。
ヤスさん、早めにお願いします。
隼人のエスコートで船から降りた遥は、今まで乗っていた大きな船を見上げながら「夜景、きれいだったな」と小さな声で呟いた。
◇
夢のような世界のあとは、もちろん現実世界。
マンションへ戻った遥は、着替えてすぐパソコンを開いた。
サーバーに入っているヤスのアプリを起動し、最新の画面を画像で保存。
健康管理アプリのパンフレットの画像を更新し、機能も修正。
脳トレアプリも起動し、開発中のイメージですと書きながらパンフレットに追加した。
部品の在庫管理のパンフレットデータもひととおり確認し、全部添付して醍醐にメールを送信。
「送った~!」
無事に送信完了できた遥は、両手を上げながら大きく伸びをした。
時計は朝の5時ちょっと前。
昨晩ディナークルーズから帰ってから資料を作ったのでこんな時間だ。
「コーヒー飲むか?」
「起きていなくてよかったのに」
昨晩、遥が資料を作り始めたら、当然のようにパソコンの前に座り隼人も仕事を始めてしまった。