こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
『間宮CEOの指示で、警察立会いのもと社長室の引き出しの中身だけ先に引き取りました』
弁護士の名刺と共に中身のチェックリストが入っており、確認したらメールに添付して送ってくださいと書かれている。
遥はすぐにチェックをし、弁護士にメールを送付した。
「火事の時、あとで探してきてやるって言っていたけれど本気だったんだ」
正直、無理だろうなと諦めていた。
消防署に行った時も、しばらくは中に入れませんと断られたし。
遥は荷物を大事に抱えながら部屋に戻ると、隼人にありがとうとメッセージを送った。
翌朝も隼人には会えないまま遥は出社した。
といっても自分の実家だけれど。
「うぉ。優作前社長に見張られてる!」
「この人数ではちょっと狭いけど、親戚が集まった実家みたいで面白い」
「ねー、冷蔵庫とかレンジ使っていい?」
コーヒーも飲みたいと社員たちはワイワイ楽しそうだ。
クッションが置かれ席もなんとなく決まり、各自パソコンに使っていたソフトウェアをインストールし始める。
「でもさ、すごいね。パソコンとか前より新しいじゃん」
「あー、レンタルだけれどね」
M-ADCからだけれど。
「こんなに早くパソコン準備できてネットワークまで開通してるの驚いた」
「昨日、富樫に休日出勤させたの」
本当にごめんと遥は謝る。
お盆休みにみんなが実家へ帰ったり旅行に行ったお土産が山積みのテーブルを見ながら、遥は「さぁ、みんなお仕事よろしくね」と檄を飛ばした。
昼休みに遥はマドレーヌの型を探し出した。
よくある貝のような形ではなく、母が好きだった犬の肉球型という珍しい型のため、ずっと捨てられなかったものだ。
これを使うのは20年ぶり。
母が亡くなった後、一度しか使っていない型を鞄に入れた遥は、スーパーへ寄ってからマンションに帰った。
夕飯は隼人が作って冷蔵庫に入れておいてくれた。
電子ボードは「温めて食べろ」というメッセージのみ。
もしかして本当に避けられている?
「えーっと、ボウルは……」
隼人しか料理をしないので、どこに何があるのかは知らない。
遥は棚やシンク下を開けまくり、ボウル、ふるい、はかり、電動ホイッパー、ゴムベラを探し出し、材料も並べた。
「嘘でしょ、飛び散るんだけど!」
電動ホイッパーで卵と砂糖を混ぜようと思ったら、勢いが良すぎてテーブルの上に砂糖が跳ねる。
「待って、バターもレンチンしたら溢れたんだけど!」
20年ぶりのマドレーヌ作りは全然うまくいかない。
今さらながら、前回は会社のお姉さんが手伝ってくれたので、ひとりで作るのは初めてだったと思い出した。
そのお姉さんはもう退職していないけれど。
なんとか混ぜて、型に入れてオーブンに突っ込む。
「……不器用すぎる」
遥は始める前とは大違いのキッチンの様子に項垂れた。
弁護士の名刺と共に中身のチェックリストが入っており、確認したらメールに添付して送ってくださいと書かれている。
遥はすぐにチェックをし、弁護士にメールを送付した。
「火事の時、あとで探してきてやるって言っていたけれど本気だったんだ」
正直、無理だろうなと諦めていた。
消防署に行った時も、しばらくは中に入れませんと断られたし。
遥は荷物を大事に抱えながら部屋に戻ると、隼人にありがとうとメッセージを送った。
翌朝も隼人には会えないまま遥は出社した。
といっても自分の実家だけれど。
「うぉ。優作前社長に見張られてる!」
「この人数ではちょっと狭いけど、親戚が集まった実家みたいで面白い」
「ねー、冷蔵庫とかレンジ使っていい?」
コーヒーも飲みたいと社員たちはワイワイ楽しそうだ。
クッションが置かれ席もなんとなく決まり、各自パソコンに使っていたソフトウェアをインストールし始める。
「でもさ、すごいね。パソコンとか前より新しいじゃん」
「あー、レンタルだけれどね」
M-ADCからだけれど。
「こんなに早くパソコン準備できてネットワークまで開通してるの驚いた」
「昨日、富樫に休日出勤させたの」
本当にごめんと遥は謝る。
お盆休みにみんなが実家へ帰ったり旅行に行ったお土産が山積みのテーブルを見ながら、遥は「さぁ、みんなお仕事よろしくね」と檄を飛ばした。
昼休みに遥はマドレーヌの型を探し出した。
よくある貝のような形ではなく、母が好きだった犬の肉球型という珍しい型のため、ずっと捨てられなかったものだ。
これを使うのは20年ぶり。
母が亡くなった後、一度しか使っていない型を鞄に入れた遥は、スーパーへ寄ってからマンションに帰った。
夕飯は隼人が作って冷蔵庫に入れておいてくれた。
電子ボードは「温めて食べろ」というメッセージのみ。
もしかして本当に避けられている?
「えーっと、ボウルは……」
隼人しか料理をしないので、どこに何があるのかは知らない。
遥は棚やシンク下を開けまくり、ボウル、ふるい、はかり、電動ホイッパー、ゴムベラを探し出し、材料も並べた。
「嘘でしょ、飛び散るんだけど!」
電動ホイッパーで卵と砂糖を混ぜようと思ったら、勢いが良すぎてテーブルの上に砂糖が跳ねる。
「待って、バターもレンチンしたら溢れたんだけど!」
20年ぶりのマドレーヌ作りは全然うまくいかない。
今さらながら、前回は会社のお姉さんが手伝ってくれたので、ひとりで作るのは初めてだったと思い出した。
そのお姉さんはもう退職していないけれど。
なんとか混ぜて、型に入れてオーブンに突っ込む。
「……不器用すぎる」
遥は始める前とは大違いのキッチンの様子に項垂れた。