こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜

22.記者会見

 佐久間が出しているのはWebのニュース。
 画面に映っているのは隼人と、知らないおじさんたちだ。
 右から弁護士、CEOの隼人、日本事業所代表、営業部長、開発部長と肩書が書かれている。

『では、今回の事件について説明させていただきます。お手元の資料を……』
 弁護士の言葉の中に何度も『ツクモソフト』という単語が聞こえてくる。

『そして昨晩、M-ADC日本事業所 営業部の勇気和人が失火罪、同部署の櫻井進一朗が教唆で逮捕されました』
 右上の表示が『M-ADC社員逮捕』に切り替わる。

「放火だったってこと?」
「マジかよ」
 動機は営業成績を守るため、強引にツクモソフトから取引先を奪おうとしたが失敗し、逆恨みでタバコのポイ捨てをしたところ火事になってしまったと弁護士から説明された。
 営業部長からはノルマなどはなく、営業成績を貼り出したり褒めたたえる仕組みはないと補足が入る。
 開発部長からは、取説動画閲覧ソフトの不具合も報告され、今回の件と合わせて謝罪がされた。
 
『ツクモソフトさんには大変優秀なエンジニアが揃っており、今回、取説動画ソフトの不具合を見つけてくれたのもツクモソフトさんでした。恩を仇で返す結果となり、大変申し訳ありません』
 開発部長の言葉に合わせるように再び5人が立ち上がり、深々と頭を下げる。

 その後の質疑応答にもM-ADCは正直に回答し、最後に今回ツクモソフトは被害者のため、報道関係者は接触しないでほしいというお願いで締めくくられた。

「M-ADCって大企業だし、もっと嫌な会社かと思ったけど」
「そだね、なんかうちの会社を守るような記者会見じゃん」
 ちょっと意外だったと社員たちは同意し合う。
 
「もし報道関係者が声をかけてきても、絶対に答えないでね」
「悪意のある記者もいるしね」
 これからしばらくM-ADCのCEOは記者に追いかけまわされて可哀想だとヤスが呟いた。

「女性関係とか雑誌に撮られちゃうんだろうな」
「でも今回はさ、社員の不祥事じゃん?」
「なんだっていいんだよ、ネタになれば」
 
 もしかして実家に帰れって、私が巻き込まれないようにするため……?
 今日記者会見したということは、社員の勇気が逮捕されたことを知っていてもおかしくない。

「富樫、ここのパソコン使って在宅勤務ってできるの?」
「えっと、青線の人は必要なファイルをパソコンに落とせば、どこだって大丈夫。佐久間くんとか赤線の人は自宅にインターネット環境があれば」
「説明まかせていい?」
 いいよと頷いてくれた富樫に赤線の人たちは任せ、遥はみんなに指示を送った。
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