こじらせCEOの壮大すぎる初恋計画 〜二代目女社長、冷徹なライバルに理不尽な政略結婚を迫られたはずが、すべては22年前からの策略でした!?〜
「スマホからも確認可能だ」
隼人は「読む」を押し、電子ボードと同じように表示された画面を見せてくれる。
「メインターゲットは共働き家庭。留守番中の子どもとメッセージを送り合うことができる」
隼人が電子ボードからスタンプを押すと、今度は隼人のスマートフォンに同じスタンプが現れた。
設定を押すと操作ボタンがひらがなやアルファベットに変わり、文字の大きさも変えられる。
離れて暮らす高齢者とのやり取りや、マンションの管理人が荷物の預かりを表示したり、習い事のお知らせ表示などにも使われているのだと隼人は遥に説明した。
「シンプルで使い勝手が良さそう」
あれこれ便利機能があるアプリもいいけれど、誰でも簡単に操作できるアプリの需要も高い。
はじめてM-ADCの製品を見たけれど、選ばれる理由がなんとなくわかる。
「ボタンの位置や大きさも、色分けもいいわね」
字が読めない子どもでも色で覚えられるだろう。
「この電子ボードの大きさは大小あるのよね?」
「もちろんだ」
「四角以外は?」
電子ボードを壁から取り外し、厚さや裏を確認しながら尋ねた遥に、隼人は「四角以外……?」と首を傾げる。
「小さい子がターゲットなら、クマとかパンダとか可愛いかなと思っただけよ」
変なことを言ってごめんなさいねと言いながら遥は電子ボードをもとの場所に戻した。
「なるほど。この周りにオプションで付けられるカバーのようなものを準備すれば……」
隼人はスマートフォンに絵のようなものを描きながらひとりで納得している。
「素材はシリコンにして衝撃も吸収すれば破損も防げるか」
周りに付けるのであれば設計は変えなくてもいい。
お試しでカバーを作り、もし売れなければすぐにやめればいい。
私のなにげない一言から一瞬でこんなに具体的な案まで出すなんてすごい。
しかもリスクも少なく機能的だ。
「画面が見えないようにするカバーがあってもいいかも」
「見えない?」
「お客さんが来た時に見せたくないこともあるかなと」
なるほどと隼人はすぐに意見を追加してくれる。
もっと俺様CEOかと思ったのに、部外者の意見も柔軟に取り込むなんて、少し意外だった。
「さすが優作さんの娘だな。いい着眼点だ」
「父を知っているの?」
「昔、世話になった」
「え? いつ?」
隼人はふっと意味ありげに笑うと、遥の質問には答えずにスーツケースをガラガラと引きながら部屋の中に向かっていく。
父と知り合い?
いつ? どこで?
父の葬儀の時、知人たちに連絡をしたけれどこの人の名前はもちろんM-ADCの社名の人はひとりもいなかった。
父が所有していた名刺の中にも、年賀状や取引先名簿にも。
どういう知り合い?
隼人の後ろ姿を見ながら遥は悩んだ。
もしかして父の知り合いだったから融資の話を持ちかけてくれた……?
うちの会社を乗っ取るためだと思っていたけれど、違うの?
部屋に戻った遥は、パソコンに保存された父の取引先をもう一度確認した。
だが、やはり隼人の名前もM-ADCという会社名もどちらも見つけることはできなかった。
隼人は「読む」を押し、電子ボードと同じように表示された画面を見せてくれる。
「メインターゲットは共働き家庭。留守番中の子どもとメッセージを送り合うことができる」
隼人が電子ボードからスタンプを押すと、今度は隼人のスマートフォンに同じスタンプが現れた。
設定を押すと操作ボタンがひらがなやアルファベットに変わり、文字の大きさも変えられる。
離れて暮らす高齢者とのやり取りや、マンションの管理人が荷物の預かりを表示したり、習い事のお知らせ表示などにも使われているのだと隼人は遥に説明した。
「シンプルで使い勝手が良さそう」
あれこれ便利機能があるアプリもいいけれど、誰でも簡単に操作できるアプリの需要も高い。
はじめてM-ADCの製品を見たけれど、選ばれる理由がなんとなくわかる。
「ボタンの位置や大きさも、色分けもいいわね」
字が読めない子どもでも色で覚えられるだろう。
「この電子ボードの大きさは大小あるのよね?」
「もちろんだ」
「四角以外は?」
電子ボードを壁から取り外し、厚さや裏を確認しながら尋ねた遥に、隼人は「四角以外……?」と首を傾げる。
「小さい子がターゲットなら、クマとかパンダとか可愛いかなと思っただけよ」
変なことを言ってごめんなさいねと言いながら遥は電子ボードをもとの場所に戻した。
「なるほど。この周りにオプションで付けられるカバーのようなものを準備すれば……」
隼人はスマートフォンに絵のようなものを描きながらひとりで納得している。
「素材はシリコンにして衝撃も吸収すれば破損も防げるか」
周りに付けるのであれば設計は変えなくてもいい。
お試しでカバーを作り、もし売れなければすぐにやめればいい。
私のなにげない一言から一瞬でこんなに具体的な案まで出すなんてすごい。
しかもリスクも少なく機能的だ。
「画面が見えないようにするカバーがあってもいいかも」
「見えない?」
「お客さんが来た時に見せたくないこともあるかなと」
なるほどと隼人はすぐに意見を追加してくれる。
もっと俺様CEOかと思ったのに、部外者の意見も柔軟に取り込むなんて、少し意外だった。
「さすが優作さんの娘だな。いい着眼点だ」
「父を知っているの?」
「昔、世話になった」
「え? いつ?」
隼人はふっと意味ありげに笑うと、遥の質問には答えずにスーツケースをガラガラと引きながら部屋の中に向かっていく。
父と知り合い?
いつ? どこで?
父の葬儀の時、知人たちに連絡をしたけれどこの人の名前はもちろんM-ADCの社名の人はひとりもいなかった。
父が所有していた名刺の中にも、年賀状や取引先名簿にも。
どういう知り合い?
隼人の後ろ姿を見ながら遥は悩んだ。
もしかして父の知り合いだったから融資の話を持ちかけてくれた……?
うちの会社を乗っ取るためだと思っていたけれど、違うの?
部屋に戻った遥は、パソコンに保存された父の取引先をもう一度確認した。
だが、やはり隼人の名前もM-ADCという会社名もどちらも見つけることはできなかった。