幼馴染のち恋模様

車を停めたのは、高級低層マンションの駐車場。
3階建になっていて、リゾートホテルにでも来てしまったのかというほどおしゃれな外観についキョロキョロ視線が動く。田舎者感丸出しである。

「すごいところに住んでるんだね・・・」
「外観とか造りは結構気に入ってるかな」

車を降りてからも再度手を繋がれ、興味津々に辺りを見渡す葵を引っ張っていく梗介。
エレベーターに乗り込むと梗介が3階のボタンを押す。

「お金持ちの人って高層マンションに住むイメージなんだけど、梗介はなんで低層マンションにしたの?」

素朴な疑問が浮かび問いかけてみた。

「ロンドンでは高層階に住んでたこともあるんだけど、エレベーターに乗ってる時間が長くてもどかしかったから」
「なるほど、確かに・・・梗介は結構せっかちだよね」
「そうか?」

あっという間に3階につきエレベーターを降りる。一番奥の扉が梗介の部屋みたいだ。

「暗証番号打つから覚えて」
「え?なんで?」
「合鍵の代わり。いつ入ってもいいから」

すごい口説き文句だ・・・。

梗介が暗証番号を打ち込むのを隣から覗き込み記憶する。覚えておけるかな・・・。
中へ促され先に入る。

「電気どこ?」

暗闇の中手探りでスイッチを探していると梗介に手を引かれ壁に追いやられる。

「えっ?」

近い距離で見下ろされ戸惑う葵。梗介の手が葵の頬に触れ、親指が唇をそっと撫でる。

「キスしたい」

さっきまで普通だったのに、急に色気を振り撒く梗介に目が泳ぐ。直視したら目が潰れるっ!

「あ、あの・・・今日はしないって・・・」
「キスしないとは言ってない。・・・嫌?」

屁理屈・・・。
だけどそんなところも愛しく思えてしまうのは惚れた弱みだろうか。

「いや・・・じゃ、ない・・・んっ」

気づけば唇が重なっていて目をぎゅっと閉じる。すぐに離れ、目を開けると梗介の甘い微笑み。ドクンッと心臓が跳ねる。
再度近づいて、優しく啄むように重ねられる唇に少しずつ力が抜けていく。頬に当てられた手がするりと首元に降りてくる感覚に体がゾクゾクする。
チュッと音をたて唇が離れた。ホワホワと浮いた気持ちで梗介を見つめると熱の籠った視線が落ちてくる。

「ごめん・・・足りない」

そう言って葵の後頭部が捕まり、熱いキスの嵐が降り注ぐ。
何度も角度を変えて落ちてくるキスに腰が砕けそうになるが、梗介の手がグッと腰を引き寄せた。更に深まるキス。

「んっ・・・」
「葵・・・」

キスの合間に甘く名前を囁かれ体の奥が疼く。
後頭部と腰に回る梗介の手が熱くて、どうにかなってしまいそう・・・。

「きょ、すけ・・・はぁ、まって・・・はぁ」
「悪い、やりすぎた・・・」

梗介は名残惜しげに顔を離し息が上がる葵を抱きしめた。
梗介の息が上がっていないことに疑問が残るがそれどころではない。何、今の・・・。

「とりあえず中入ろう」

玄関から一歩も室内に入っていないことにお互い小さく笑う。
リビングに通され荷物を下ろす。

「風呂、先使って。こっち」

お風呂場まで案内してもらいドライヤーなどの位置も教えてもらった。

「ありがとう。お先にいただきます」
「ごゆっくり」

脱衣所から梗介が出ていく。脱力してその場にしゃがみ込む葵。
キスって、あんな感じだったっけ・・・?気持ち良かった・・・体の中から潤うような感覚・・・。
いやいや!思い出すな私っ!

葵は頭を振ってお風呂場に飛び込んでいった。


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