幼馴染のち恋模様

一通り確認し終えた頃には日が沈んでいた。

「やば、こんな時間になってた。俺これから事務所戻んなきゃなんだ」
「そうなの?ちゃんと寝てる?」

まだ働く気なのかと心配になる。

「葵がいないから眠れない」

冗談めかしていたずらに笑う。

「寝れてるなら問題ないね」
「寝れてないって言ったのに・・・この仕事落ち着いたらゆっくり時間取るから」

壊れ物を扱うように優しく葵の頬を撫でる。

「それは嬉しいけど、まずはちゃんと休んでね。倒れたりしたら洒落にならないから」
「うん、分かった。じゃあちょっと充電させて」

そう言って葵を抱きしめる。

「はぁ・・・葵が足りない」
「私の抱き枕でも作る?」

笑って冗談をこぼすと「それいいな」と閃いた、みたいな顔をする梗介。

「冗談です」
「ははっ、冗談にはさせないけど?」
「怖いこと言わないで・・・」

こいつまじか・・・と引いた顔を向ける。

「嘘。本物の葵じゃなきゃ意味ないから」

久しぶりに触れる唇。心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかというほど鼓動する。

「もっとしたいとこだけど、葵のこと送ってかなきゃな」

おでこにも口付けて手を繋ぐ。

「仕事あるんでしょ?一人で帰れるよ」
「だめ。雨降ってるし夜道を一人で歩かせるわけないだろ」
「過保護・・・」
「なんか言ったか?」
「ふふっ・・・ありがとう」
「どういたしまして。行くぞ」

梗介は葵を家まで送ると事務所へ戻って行った。

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