幼馴染のち恋模様
今日は親友の真緒とショッピングに来ている。付き合った報告を電話ですると、安心したように優しい声色で「良かったね。おめでとう」と言ってくれた。
それに合わせて真緒も、彼からプロポーズされたのだと嬉しそうに報告してくれて、ここ最近いいことづくしで心が弾む。
「葵お待たせ!」
「待ち合わせ時間前だから大丈夫だよ。行こっか」
今日の買い物は真緒が彼のご両親と顔合わせをするそうで、その時に着る服を買いに来た。
「私の場合ワンピースよりもパンツの方がいいよね?」
「パンツは安定に似合うけど、ワンピースも少しだけタイトなやつとかマーメイドのものとかならイメージピッタリだよ?」
真緒は160cmの私より少し高い163cmだ。スタイルが良くて、何を着ても基本似合ってしまうので、意見を言う側も難しい。
「挑戦したい気持ちはあるのよね・・・でも、ただでさえ緊張するからいつも着慣れてるパンツにしようかな・・・いやでも・・・」
真緒の彼氏さんとは何回か会ったことがあるが、体格が良く背も高いので初対面は少し腰が引けた。話してみると、とても優しくて穏やかな方だった。
真緒が通い始めたジムで出会ったそうで、筋肉に一目惚れしたらしい・・・。
「うん!どっちも買う!」
悩みに悩んでどちら買うことに決めたらしい。
「思い切ったね〜。でもどっちを着ても真緒の人柄があれば何も心配することないよ。食事楽しんでおいで」
「葵〜!大好き!」
真緒が勢いよく抱きついてきて首元に巻き付いた腕が締め上げる。
「グエッちょっ、真緒っくるしっ!」
「あら、ごめんごめん」
悪びれることなくヘラヘラと笑いながら謝る真緒に恨めしげな視線を送る。
ジムに行ってるだけある締め上げに、危うく三途の川が見えてしまうところだった。
「お腹すいたしランチしよ!葵何食べたい?」
「久しぶりにハンバーガー食べたいかも」
「いいね〜そうしよ!」
ファーストフード店に入り席を取る。休日の昼間なので店内はとても賑やかだ。
「で、付き合ってみてどうよ?」
ポテトをモグモグしながら聞く真緒。
「どうって・・・普通だよ」
「普通なんて人それぞれでしょ。詳しく」
誤魔化されてはくれないようで、恥ずかしいが心の内を吐露してみる。
「なんか、すごく・・・甘い。私の知ってる梗介のはずなのに、彼氏の梗介は刺激が強いというか・・・」
「え?惚気?」
「真緒が言えって言ったんじゃん!」
顔がタコのように真っ赤に染まり、自分でも何を言っているのか分からなくなる。
「あははっ、幸せってことね!でも寂しいな〜・・・私の葵だったのに」
「真緒が彼と付き合い出した時、私も同じこと思った」
「え!そうなの!もぉ〜葵ってば可愛いんだからっ」
頬っぺたを両手から挟まれグリグリ撫で回される。
「ねぇ、手拭いた?ポテト摘んだ手で触ってるよね?」
「え?えへへ・・・」
舌をペロっと出して可愛く小首を傾げてもダメ!
「ちょっとぉ!なんかベトベトする〜!」
「あはははっ!」
店内の騒がしさに私たちの笑い声も混じり、穏やかな休日が過ぎて行った。