幼馴染のち恋模様【完】
それぞれの出来事がそれぞれの終わり方を迎え、葵の心はまだ色を失ったまま・・・。
掲示板のことが片付いた週の土曜日。
真緒の家にランチに誘われ、向かっている。真緒にはまだ別れたことを伝えられていないので今日言うつもりだ。
別れを告げてから枯れるほど涙は流した。真緒には泣かずに伝えたい。
ピンポーン
インターホンを鳴らすとドアがガチャッと開く。
「遅い!早く入って!」
なぜか切羽詰まったように、怒っているようにも・・・見える。
「時間通りのはず・・・何なら5分前・・・」
理不尽な怒りに小さく反抗してみる。
「はぁ、ごめん・・・葵に怒ってるわけじゃないの・・・」
真緒の思い詰めるような表情に、察した。
あぁ・・・。噂を耳にしたのか。
「・・・梗介とは、別れたの・・・」
「っ!・・・」
真緒は何と声をかけていいのか迷うように瞳を揺らす。
言葉の代わりに葵の体を抱きしめた。そのぬくもりが温かくて、優しくて、泣かないと決心した気持ちが崩れていく。
あんなに泣いたのに・・・梗介のことを想う気持ちが膨れ上がるように、涙もとどまることを知らない。
こんな思いをするくらいなら、再会なんてしたくなかった・・・。
そう何度も思っては否定する。梗介と再会して付き合えたから、たくさんの慈しみ深い気持ちを知ることができた。こんなにも、誰かを愛する喜びを感じることができた。
どうか・・・梗介が幸せであってほしい。それだけは願わずにはいられなかった・・・。
「葵、全部受け止めてあげるから話してほしい。葵の傷ついた心、私にも守らせて?」
こんな時なのに、真緒をお嫁にもらえる彼氏さんが羨ましい、なんて考えてしまった。
「うん。聞いてほしい・・・うまく話せないかもしれないけど、聞いてくれる?」
「もちろんよ」
そうして、ここ最近あった出来事を言葉に詰まりながらも全部話した。