幼馴染のち恋模様

長い沈黙が訪れ、真緒も頭の中で話を整理しているようだ。
すると、真緒が口を開いた。

「葵・・・頑張ったね」

その言葉を聞いた瞬間、胸の棘が消えていく・・・。
私・・・頑張ったんだ。
その言葉をずっと望んでいたのかもしれない。葵の頬に一筋の涙が伝う。

「辛かったよね・・・それでも、頑張って向き合ってたんだよね。一人で、戦ってたんだよね」

真緒が葵の手を両手で包み込む。

「もう大丈夫。一人で戦わなくていいんだよ。私も一緒に戦うから。葵の心がまた笑えるように、戦うから」

真緒も泣いていた。震える声で、でも芯のある声で、言葉を紡いでいく。

「葵が一番、葵のこと褒めてあげてね」

真緒はまた葵を優しく抱きしめ、あやすように一定のリズムで背中を緩く叩く。
葵は止まらない涙に抗うことなく泣き続けた・・・。


漸く涙が落ち着き、思う・・・またやってしまった。
最近こんな事ばかりだ・・・情けない・・・。

「真緒が男の人だったら確実に惚れてるよ」
「女でも惚れなさいよ」
「ふふっ、大好き」
「私の方が大好きよ。私の葵を傷つけたあの男とあの女狐だけは末代まで呪ってやるわ」

恐ろしい言葉は聞かなかったことにする・・・。

ぐ〜っ

誰かのお腹の音が鳴り沈黙が流れる。

「真緒、お腹なってるよ?」
「葵でしょ?」

じゃあ誰の?

「ぷっ、あはは!意地張ってる場合じゃないわ、早く食べよう」

二人して吹き出して、笑い合う。こんなに笑ったのはいつ振りだろう・・・。
真緒のおかげで、心のモヤが晴れていった。

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