幼馴染のち恋模様

「もしもし?」
「良かった、出てくれて」

こうして電話で話すのはとても懐かしい気持ちになる。

「どうかしたの?」

要件が気になり単刀直入に聞いてみる。

「いや、明日俺も一日休みなんだ。一緒に観光しない?」

思いがけない誘いに戸惑う。でも、旅行は一期一会だ。
そう思って返事をした。

「いいよ。行きたいところあるんだけど、ひろくんもある?」

ここは譲れない、という場所があるので一応聞いておく。

「あるけど、どっちも行こう。車出すよ」
「それは助かります」

いつの間にか気まずさもなくなり、あの頃のように自然と話せていた。

「じゃあ、9時に宿まで迎えにいくよ。あとで住所送っといて」
「分かった、ありがとう」
「うん、おやすみ。また明日な」
「おやすみなさい」

電話を切って思い至る。ん?これは・・・デート?えっ、デート!?
そこで梗介の顔が浮かぶ。

「ばか!早く忘れなさい!」

自分を叱咤して頭をブンブン振る。もう、関係ないんだから・・・。
電気を消して早々に眠ることにした。

< 60 / 126 >

この作品をシェア

pagetop