幼馴染のち恋模様
「もしもし?」
「良かった、出てくれて」
こうして電話で話すのはとても懐かしい気持ちになる。
「どうかしたの?」
要件が気になり単刀直入に聞いてみる。
「いや、明日俺も一日休みなんだ。一緒に観光しない?」
思いがけない誘いに戸惑う。でも、旅行は一期一会だ。
そう思って返事をした。
「いいよ。行きたいところあるんだけど、ひろくんもある?」
ここは譲れない、という場所があるので一応聞いておく。
「あるけど、どっちも行こう。車出すよ」
「それは助かります」
いつの間にか気まずさもなくなり、あの頃のように自然と話せていた。
「じゃあ、9時に宿まで迎えにいくよ。あとで住所送っといて」
「分かった、ありがとう」
「うん、おやすみ。また明日な」
「おやすみなさい」
電話を切って思い至る。ん?これは・・・デート?えっ、デート!?
そこで梗介の顔が浮かぶ。
「ばか!早く忘れなさい!」
自分を叱咤して頭をブンブン振る。もう、関係ないんだから・・・。
電気を消して早々に眠ることにした。