メシ友婚のはずなのに、溺愛されてるのですが!?
 とはいえ、面倒事は何とかしてくれるみたいだし……そういえば家賃の支払い停滞してる。早く支払わないとな……


「……馬鹿にしたら、あの指輪売ってロリコンって呼びますから」

「……ロリコンはやめてくれ」


 ……マジで嫌なんだ、ロリコン。まぁ、さすがに12歳は、ないな。

 けど、考え方は、人それぞれだし。いける人はいける。


「……いいのか」

「しょうがないですね」

「ふはっ、ありがとう、瑠香」


 けれど……この感謝の言葉は、何故か特別なものに感じた。

 こんな大企業のお坊ちゃんと結婚だなんて無謀にもほどがあるけれど……借金返済と仕送り、あとは……人助け、というのもある。


『別に腹減って倒れそうなやつにメシを奢ってやってるってだけだろ。悪い事してるわけじゃない。だから、味わって食えよ』


 悪い事をしているわけでもない。むしろいい事だ。ロリコンになりたくない人を助けてる。そう、そういう事。


「で、婚姻届は花柄がいいか? シンデレラとか、マーメイドとかもあったな。俺としてはうさぎがいいんだけど」

「うさぎはやめてください」

「はいはい。じゃあ何がいい?」


 というか、婚姻届って今そういうのあるんだ。知らなかった。結婚すら頭の中になかったから仕方ないんだけど。


「……水色のお花がいいです」

「おっけ。今日中に持っていくから、その中から選んでくれ」


 ……ん? 選んでくれ?


「一体何種類持って来るつもりなんですか」

「ん? 俺は結婚してもらう側だろ。なら、ご要望には全力で応えるが?」

「……一緒に選びます」

「そうか? ならこれ全部食ったら用意するか」


 ほら、と私の取り皿にどんどん乗せる彼は……昨日のレストランの時のような様子だ。

 楽しく、思ってくれてるのかな。……肉しか乗せてこないけど。


「そういえば鴨肉、初めてだろ。美味いか?」

「……はい、美味しいです」

「そうか。ならよかった。次は何食う?」


 次、は……何がいいかな。あ、今朝この人何言ってたっけ? 確か、鴨肉と、黒毛和牛と、ふぐ? あぁ、あとウナギもあったっけ。


「……ふぐは、あ、いや、やっぱり……」

「ふぐでもいいぞ?」

「あ、いや、やっぱりふぐは……」


 そういえば、ふぐって毒あるんだよね。昨日、ふぐ毒の事件ニュース見たな……怖いから、やめとこう。


「あぁ、あれか。なら……カニ食うか。ズワイガニ」


 ズ、ズワイガニ……!?

 あ、あのおっきいカニよね、カニ!

 私、カニって食べたことあるっけ……? ん……?


「……かにかましか知りません、私」

「ぷっ、ははっ……いいぞ、美味いやつ食わせてやるから」


 まさかの、いきなりのズワイガニ……! 絶対美味しいよね、絶対美味しいよね!

 あっ、鴨鍋も食べなきゃ。冷めちゃったら大変だ。

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