不仲の同期が、私の婚活を邪魔しにきた件について!

 美希の押しの強さに呆れつつも、意中の人がいるから断ろうとする鶴岡さんの真面目さと、そして美希に言いくるめられてしまう純粋な気持ちに感心してしまう。

「お付き合いなどは、されていないのです、よね……?」

 一応、状況確認のために尋ねると、人のいい鶴岡さんは私の不躾な質問にしょんぼり肩を落としながらも、真面目に答えてくれた。

「俺の片想いなんです、部下なのもあってアプローチは出来ずなかなか……」

 部下なら確かにアプローチはしにくい。 
「そうですか」と頷く。
 
「でも、社長令嬢なのに、すごく気さくで頑張り屋で、気付いたら目が離せなくて。本当に素敵な女性なんですよ――」

 よほどその女性が好きなようで、彼女の魅力を自ら教えてくれた。
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